1964年に登場した PENTAX SP(Spotmatic)は、フィルム一眼レフといえばこれ、と言っても過言ではない存在です。
堅実な作りに加え、露出計を内蔵したシンプルで扱いやすい操作系が特徴。初めての一眼レフとして、今も根強い人気を誇ります。
Super-Multi-Coated TAKUMAR 55mm F1.8 は、オールドレンズを調べれば必ず目にする定番の一本。
温かみのある発色とやわらかなボケ味が魅力で、被写体を立体的に写し出してくれます。
実際に使ってみると、まず感じるのは「シャッターを切る瞬間の気持ちよさ」です。
フィルムを巻き上げ、ファインダーを覗き、指先でシャッターを押し込む――。
その一連の動作に心地よい抵抗感と重量感があり、撮影そのものの楽しさを思い出させてくれます。
デジタル機では味わいにくいこの“機械としての手応え”こそ、PENTAX SPの魅力のひとつです。
描写は開放でふんわりと、F2.8〜4まで絞ると一気にシャープさが増します。
それでも残るタクマーらしい柔らかいトーンはポートレートや日常スナップにぴったり。
光の加減によってはフレアが出ることもありますが、それもまたオールドならではの味わいとして楽しめます。
クラシックな外観と、手に伝わる確かな感触。
PENTAX SPは、撮ることそのものを味わいたい方にこそふさわしい一台です。
フィルムカメラの世界を体験したい方に、最初の一歩としておすすめします。
こんな方におすすめ
- フィルム一眼をこれから始めたい方
- やわらかなボケを活かした表現を楽しみたい方